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執筆者の写真Naoko Suga

変わらないは危険なサイン

「おひさしぶりですが、お変わりありませんか?」「おかげさまで、特に変わらないです。」という相手を気遣って、変化がないかを伺う挨拶なので、一度は耳にしたことがあると思います。変わらないことが良いことのようなニュアンスで使うことが多いフレーズでしょう。しかし、よく考えると「お変わりない」状態なのは危険なのです。実は、変わらないヒトはいないのが現実で、変わらないと逆に問題があるのが自然です。


ヒトも中身が変わっている

ヒトの細胞は、ほぼ3か月で全く新しい細胞に入れ替わるそうです。ヒトには60億ほどの細胞があり、変化が目に見えるわけではないのですが、常に少しずつ入れ替わり、約3か月できれいに入れ替わるそうです。そのため、暫くご無沙汰しているヒトに久しぶりに会ったとすると、そのヒトの中身は全く別モノと考えても不思議ではないでしょう。ともなると、「お変わりありませんか?」と聞かれたら、「おかげさまで、すべて変わりました。」と答える方がむしろ自然なのかもしれません。


社会も経済も同じ原理

ヒトの細胞もさることながら、社会や経済も基本的に変化するのが当たり前だと思います。以前私が勤めていた職場での出来事ですが、驚きのあまり未だ鮮明に私の記憶に残っている同僚との会話があります。たしか、リーマンショック時代のマーケットが沈んでいた頃だったと思いますが、同僚から「株価が下がることよりも、経済が停滞してボラティリティ(価格変動)がない方が問題である」と言われたことです。当時の私は株価が高いまま維持できる(変わらない)ことが社会にとって良いのが常識だと思っていたので、同僚の発言は目からウロコでした。つまるところ、ヒトも経済も動きがあり(変わる)、循環することこそが、とても重要なのです。どんな状況であっても変動がなくては、にっちもさっちもいかないぞ、という意味で良いアドバイスでした。


変化を受け入れて、動きを作る

循環するためには、まずは循環するための準備期間が必要です。ヒトの細胞周期で例えると、細胞分裂するためにしっかりと準備をする間期というフェーズがあり、間期があることで分裂期では細胞がきちんと分裂し、新しい細胞が生み出されるというようなイメージでしょうか。新しい細胞をひとつ入れ替えるのも、変化に備えた体制を整えていることが重要なのです。

ともなれば、「お変わりありませんか?」という挨拶の真の意味とは、「変化を受け入れられるような万全な状態を維持してできていますか?」ということなのかもしれません。そして、健康なヒトは、「おかげさまで、私はうまく変化に対応できて、すっかり変わりました。」という返事のほうが、むしろ自然な挨拶なのでしょうか。




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