top of page
執筆者の写真Naoko Suga

睡眠とお酒の良い関係

お酒は、昔から文化に溶け込み、人間関係を豊かにすることを通じて、社会の繁栄の一助を担ってきました。食事中の会話を和やかにしたり、料理を美味しくしたり、人の心を豊かにする特異な飲み物です。健全に愉しく嗜むお酒は、生活を豊かにするものとして愛されてきました。


逆に、人間関係を狭く乏しくしてしまうお酒は不健康です。特に、独りで飲酒する頻度が高く、鎮痛、抗不安、催眠などの効果を期待して薬物として飲むお酒はこころの健康を失いやすくなります。飲むことで人間関係を豊かにする意義よりも、アルコールの薬理効果を得ることを目的にするようになったら、そのお酒は危険です。アルコールによる不安、抑うつ感、心身の痛み、入眠困難などを改善させることを期待した飲酒は、アルコールの依存状態です。


アルコールは、体内で分解される過程で有害物質アセトアルデヒドを産生します。アセトアルデヒドは、交換神経を刺激し、脳を覚醒させます。アルコールを大量に摂取すると、夜中に目覚めるなどの睡眠の質を下げます。特に就寝ぎりぎりまで飲むお酒は、利尿作用によって夜中に目が覚め眠気が妨げられ、約4~5時間でアルコールの血中濃度が下がって覚醒し再入眠が難しくなり、脱水症状で中途覚醒しやすくなります。睡眠中の成長ホルモンの分泌や免疫力も低下します。細胞にたまった老廃物の排出もうまくいかず、むくみや慢性疲労にもつながります。


アルコールによる寝つきの効果も、飲み続けていくうちに次第に効かなくなってくるため、だんだんと飲酒量が増えてくるという悪循環に陥りやすくなります。こうした理由から、眠るためのアルコール(ナイトキャップ)はあまりおススメできません。

アルコールと睡眠薬の併用については禁忌です。併用すると、お互いの作用を強化します。アルコールに関しては酩酊状態になりやすくなり、睡眠薬に関してはその作用も副作用も増強されてしまいます。


お酒は「飲んでも呑まれるな」を肝に銘じて、健全に愉しく嗜む「大人の飲酒」

をこころがけましょう。本物志向の「大人」だけに許される醍醐味として、お酒を特別に扱いたいものですね。

閲覧数:12回0件のコメント

Comments


bottom of page